Friedrich August Von Hayek(フリードリッヒ・ハイエク)

隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】
生誕:1899年
死没:1992年

新自由主義

新自由主義(ネオリベラリズム)は、市場による自由競争や古典的自由主義を再評価し、市場機能を歪めることとなる政府による介入は、民間では適切に行えないものに極力限定すべきとする諸思想諸政策である。

社会を豊かにするためには?

「新古典派」は、市場の力にすべてを委ねるのが望ましく、所得格差は市場の効率化の必要条件であると主張。一方「ケインズ派」は、現実の市場が不完全であることに由来する不均衡と不安定を解消するには政府の市場介入は不可欠だと主張した。

フリードリッヒは「ケインズ主義的財政金融政策が無効であり、市場の力に委ねるのが最善の策である」と主張し続けたという。

著書『隷従への道』

1970年台末まで、経済学の主流はケインズ派だった。「ケイジアンにあらずんば、経済学者にあらず」といった風潮が支配的だった。

これを痛烈に批判したのが『隷従への道』(1943年)である。社会主義計画経済と、その亜流である「ケインズ経済学」を批判する内容であった。

問題解決を市場に委ねておくのが次善の策

価格、供給、需要の3要素には相互関係がある。社会主義国家において、政府が決められるのは価格と供給量だけで、需要量は制御できない。そのため需要の過剰と不足は避けることができないため、計画経済は破綻を余儀なくされる。

要するにハイエクは「市場を制するに足りるほど人間は賢明でないのだから、問題解決を市場に委ねておくのが次善の策だ」と主張しているということだ。「次善の策」とはすなわち、積極的な市場万能論ではなく、あくまでセカンドベストとして市場にゆだねるべきだとしている。

おもな書籍

隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】

隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】

経済学の歴史に「ケインズ革命」と呼ばれる一大転機を画した作品。資本主義の抱える大量失業と不安定な経済循環への処方箋として、雇用と有効需要、利子率と流動性とを組み合わせた「一般理論」を論じている。

自由の条件I ハイエク全集 1-5 【新版】

自由の条件I ハイエク全集 1-5 【新版】

西洋における自由の思想の変遷を俯瞰し、「自由」が文明の進歩にとっていかに重要かを論じたノーベル賞に輝く思想家の代表作。

金融用語辞典